クラシック音楽のコンサート用グランドピアノとして、スタインウエイと人気を二分するベーゼンドルファーが、ヤマハに買収される記事を目にとめました。買収の経緯として両社の経営環境や、最近の中国製ピアノの台頭に象徴される業界の構造変化などが解説されていました。
ところで、ピアノと言えば、古くて新しい自動化、ロボット化のテーマとなる製品の一つです。
私は知りませんでしたが、自動化の歴史はヨーロッパで18Cまでさかのぼることができ、現在私たちが知っている形の自動ピアノは1900年初頭に米国で量産化され、1920年代には一時期、普通のピアノよりも売れたそうです。
その後、蓄音機など音楽を楽しむ他の製品が登場する中、自動ピアノは衰退しましたが、ピアノそのものは電子オルガンやシンセサイザーなど、弾き手のニーズによって、様々な種類が開発されてきました。
そして約半世紀後、今度は日本の筑波博でワスボットなるピアノを演奏するロボットが登場しました。残念ながら、こちらの方はプロトタイプの域を脱せず、市場で日の目を見ることはありませんでした。
その後現在、九州工業大学や中国のハルビン大学などにおいて、再びピアノ演奏ロボットが研究開発されています。
ピアノの自動化、ロボット化の歴史を振り返りながら、製品における自動化(利便性)の価値とは? ロボット化による新たな付加価値の創造とは? を再考することも意味があるかもしれません。
ちなみに、ベーゼンドルファーは、音楽の都、ウィーンで1828年に創業され、その音色はdarker or richer than the more pureと賞賛されています。
唯一無二の価値をもつこの様な製品でさえ淘汰されかねない現代の市場ですが、見方を変えれば180年という異例の製品寿命が、今回の買収でなおも永続し続けることになります。本物の凄みでしょうか?
※写真は、ベーゼンドルファーピアノやピアノ演奏ロボットとは無関係です。


