本社編集局第一産業部 清水信彦
米マイクロソフトがビル・ゲイツ会長の指示のもとロボット普及に乗り出した。06年12月に発売したロボット制御用ソフトの開発ツール「ロボティクス・スタジオ」でソフトウエアの標準化を進める。その目的はどこにあるのか。国際ロボット展にあわせ来日したタンディ・トロワーロボティクスグループゼネラルマネージャーに聞いた。
次世代ソフト開発で支援 -マイクロソフト(米)
タンディ・トロワー氏(ロボティクスグループ ゼネラルマネージャー)
―マイクロソフトがなぜロボットなのですか。
「いいツールがあればソフト開発負担を軽くすることに貢献できると分かった。ロボティクス・スタジオは3分の1をサンプルソフトが占めており商用から研究用まで自由に使える。新しい挑戦だと思っている」
―ロボット産業で成長するにはどういう道のりが考えられますか。
「まだ業界と関係を作る段階。パソコンでIBMと組んだように強いメーカーと組むのがいいのか分からない。分かるのは“すべての家庭にロボットを”を実現するにはアプリケーションがカギということ」
―家庭にロボットが普及するための用途は。
「パソコンも表計算ソフトなどのアプリケーションが出て普及した。ロボットの用途も市場自体が持っている創造性が重要になってくる。それにはロボットの技術が誰にも使えるようにオープンであることが必要だ」
新しい用途が普及のカギ
―現在ビジネスとして確立している産業用ロボットは、マイクロソフトのシェアがまだ低い。
「これまで業界を引っ張ってきたのは産業用だが、各社とも新しい用途を模索している。ドイツのKUKAやスイスのABB、日本企業も新しいサービスロボットを検討している。そこでなにができるのか、各社と一緒に話をしている」
―ロボット専用基本ソフト(OS)を作る考えはありますか。
「専用OSは出さない。ただロボティクス・スタジオで作ったソフトは、ウィンドウズXPや組込用OSで動く。来年には『マイクロフレームワーク』という小さなOSでも動くようにする。CPUは8ビットから32ビット、OSはXPからマイクロフレームワークまでを一つの開発ツールでカバーできる。マイクロソフトは次世代のソフト開発のあり方を先取りする」
【記者の目/研究開発予算の生かし方に注目】
マイクロソフトにおけるロボット関連事業の位置づけは、本格的なビジネスというよりは研究開発の延長線上にあるという印象を受けた。「ロボットはおもしろそうなので、なにかやってみよう」というかかわり方が好感触を持って受け止められている。抜群の研究開発予算をどう生かすか、今後の動向に目が離せない。





















