富士重工業 クリーンロボット部の青山元部長は、「第26回 日本ロボット学会学術講演会」で講演し、「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト(移動知能共用モジュール)」での取り組みを紹介。自社開発のソフトウエアモジュールの見直し、RTミドルウエア(RTM)によるコンポーネント化という2段構えにてRTM準拠知能モジュールの提供を検討していることを明らかにした。
現在、富士重工では「オフィスビル移動ロボットの知能化」というテーマにて開発を進めている。同プロジェクトに参画する以前よりソフトウエアのモジュール化に取り組んでおり、「清掃ロボットの提供を始めた約10年前頃から着手していた」(青山氏)。またOSも信頼性確保という観点から、自動車用制御OSをベースに自社開発してきた。
同プロジェクトに参加した昨年からは、自社開発のソフトウエアモジュールの見直しに着手し、体系化なされているかどうか、独立性を確保しているかどうかを約1年にわたり検証してきた。現在は次の段階として、産業技術総合研究 知能システム研究部門と芝浦工業大学 水川真教授の指導のもと、RTMによるコンポーネント化を進めつつあるという。「自社開発のソフトウエアモジュールの見直しがきちんとなされていれば、RTMによるコンポーネント化および体系化はスムーズに進むだろう」(同)とのことで、「今年度末までには完了したい」と話した。
また今後、想定される自社開発ソフトウエアモジュールからRTM準拠知能モジュールへの切り替えは、「両者の併用ではなく、一気に切り替える」(同)という。ソフトランディングするという意図から併用を行うと切り替えに失敗するというのが青山氏の持論のようで、「(クリーンロボット部内の)思考統制を行い、そのような割り切った移行を問答無用で行う」との意向を示した。
富士重工は、これまで清掃ロボットと搬送ロボットを中心に開発し、導入実績を積み上げてきたが、それは機能を絞り込む「絞り込み戦略」の結果とされている。ソフトウエアも極力応用性を回避して開発してきた。「今後のサービスロボットは、これまでのような絞り込んだ機能ではニーズへの対応は困難であり、開発スタッフを含め大きな課題になるかもしれない」(同)との見解を、会場の質問に答えるかたちで示した。
なお、同社ではソフトウエアのモジュール化に着手する以前より、ハードウエア(ここではメカ機構)のモジュール化を進めてきた。同社のロボットは、大きく上・中・下の3フレームから構成されており、清掃ロボットとツムラに納品した搬送ロボットの下フレームは同一で、前者の中フレームを1/3に切断したものを後者に利用している。「ハードウエアのモジュール化はほぼ終えている」(同)という。


