産業技術総合研究所とデンマーク技術研究所(DTI)は、アザラシ型ロボット「パロ」のデンマークでの販売と、次世代型パロの研究開発に関する提携を発表した。
デンマークでは2007年より高齢者在宅介護の促進を目的とする国家プロジェクト「Be-safe」において12体のパロを導入し、ロボット・セラピーの実証実験を実施。結果、10個所で認知症高齢者などの情緒安定化や会話の活性化などが確認された。実際の事例では、デンマーク語を話せなくなった認知症の高齢者が、パロに触れ合っているときはデンマーク語でパロに話しかけたり、介護者や他の高齢者と会話したりすることが可能になったという。今後は、デンマーク国内ではDTIが窓口となり、パロの輸入販売や導入後
の教育、メンテナンスなどのサービスを行う。
今回の発表のため来日したDTIロボット部門長のクラウス・ライサガー氏(写真上)は「来年3月までに100体、再来年には1,000体を介護施設に導入したい」と語り、将来的には福祉制度が類似するスウェーデン、フィンランド、ノルウェーなどにもパロを広める意向を明らかにした。
研究開発を行う産総研知能システム部門の柴田崇徳主任研究員(写真下)は「本物の動物はアレルギーや引っ掻き、感染症などの恐れがあるが、パロはそれらの危険性がなく、介護施設での導入に適している」と語り、パロのさらなる普及に自信を覗かせた。また「自閉症や認知症などの症例に合わせて改良し、ロボット・セラピーの分野を発展させたい」(同氏)と、次世代型パロの開発に意欲を示した。
パロの普及では、知能システム(http://intelligent-system.jp/)が、産総研よりパロに関する知的財産権のライセンスを受けて生産と販売を2005年より開始している。これまでに1,000体以上を販売し、うち7割が個人名義での購入であり、一般家庭での介護予防やペット代替として役立っている。
海外では、スウェーデン・カロリンスカ病院および国立障害研究所、イタリア・シエナ大学付属病院、フランス・カーパプ病院、アメリカ・スタンフォード大学付属病院、マサチューセッツ工科大学、デトロイト・メディカル・センター、マサチューセッツ・ジェネラル・ホスピタルなどでもパロを導入し、ロボット・セラピーの研究を進めている。
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