近畿大学 理工学部 機械工学科(http://ccpc01.cc.kindai.ac.jp/sci/)は1日、同学科1年生を対象とした「基礎ゼミ2」の成果発表として、2足歩行ロボットによる競技大会「ロボリンピック床運動」を開催した。1チーム10名からなる計10チーム(計100名が参加)が、作成したモーションのストーリー性などを競い合った。ロボットにはゼットエムピー(ZMP、http://www.zmp.co.jp/)の2足歩行ロボット教材「e-nuvo WALK3」を使用。基礎ゼミ2では計14体を利用した。ZMPによると大学1年生の講義で、これほどの台数を利用したのは同学部が初めてという。
近大にとって初の試みとなったが、来年度以降も継続的に取り組むことで、学生の基礎学力の向上につなげていく。
基礎ゼミは、創成教育の一環として200名の1年生を対象に実施している講義。また、機械工学の基礎を楽しみながら学んでもらうという側面もある。基礎ゼミでは、前期の「同1」は10名を1グループとして研究室に配属してゼミのさわりを体験させる。後期の「同2」では、100名を2つに分けてロボットとクルマを題材にチームで課題に取り組む。ガイダンスを除いて、それぞれ6時間にわたって実施する。クルマでは「ペーパーカーレース」で成果発表を行う。
ロボットを題材とした講義では、1時間目にロボットの仕組みと「Microsoft Robotics Studio(MSRS)」を、2時間目はロボットが転倒しないための方法と重心計算をそれぞれ説明する。3時間~5時間目はモーション作成に取り組み、6時間目に成果発表として競技会に挑む。
教材にe-nuvo WALK3を採用したのは、対応するMSRSの「Visual Simulation Environment(VSE)」を用いて、力学シミュレーションを行いながらプログラミングが行えるため。ただし、VSEは実機テスト前の検証ツールであり、モーション検討時の重心計算には不向きであることから、同学部の原田孝准教授が重心計算プログラムを用意した。これは重心位置が明示されるツールで、これでバランスを確認しながらモーションを検討し、MSRSでプログラミングをしてVSEで検証を行った。
ロボリンピック床運動では、1分間のプレゼンと2分間の演技で競い合った。プレゼンは、演技の内容と見どころを簡潔に紹介し、演技ではストリー性を持たせたモーションを披露した。演技は芸術点と技術点が与えられ、前者はストリー性や動作のメリハリ度などを、後者は動きの意外性や体重移動などを基準に採点した。
結果は、30満点中29.2点を獲得した15班が優勝した(写真左)。15班の演技テーマは“極限”で、「礼」に始まり、「準備体操」「横歩き」「リンボーダンス」(写真中央)、「ハイキック」(写真右)から「連続片脚ジャンプ」、そして「正座」と「礼」で終わるモーションを披露。重心位置を正確に計算することにより、このような複雑なモーションを取りながらバランスを維持するという“極限”に挑戦してみせた。



e-nuvo WALK3を利用した講義および競技会は今回が初めてだが、創成教育の一環として来年度以降も取り組むという。また、原田准教授は個人的な意見としながらも、「今後、機械工学科で学習する機械工学や制御工学の講義に2足歩行ロボットの話題を絡ませるなど、その応用を広げていきたい」と話した。
ZMPでは、今回の近大での授業などを踏まえ、「創成教育により役立つよう、カスタマイズを容易に行えるような改良を予定している」(谷口恒社長)。すでにモータ間は通信モジュール構造になっており、自由に改変できることから「リンクのパーツを自由に組み替えるなどメカ的なカスタマイズを容易にすることを検討している」(ZMP技術開発部 落合亮吉氏)。なお、e-nuvoのユーザー数は大学を中心に、すでに300を超えるという。
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