東京大学を中心に、トヨタ自動車やパナソニックなど民間7社が参加する東京大学IRT研究機構(http://www.irt.i.u-tokyo.ac.jp/)は、ロボットが家庭の引き出しなどに収納した日用品を探し当てる要素技術を開発した。高齢者の物の置き忘れや、薬の飲み忘れなどを解消する支援技術になる。10年後めどに実用化する。
天井やロボット内部に搭載した複数のカメラを用いて、部屋にある小物の動きを追跡して撮影。約100点の画像データベースを作成する。その中から汎用パソコンより6倍高速の56台のCPUクラスタで並列処理して、ほぼリアルタイムで探したい物の場所を割り出す。
実験デモでは、パソコン画像上で部屋にある小物から探したい物を選ぶと、「引き出しの中にあります!」と音声で答えるとともに場所を指し示した。ロボットに指示すると、そこから小物を運んで戻るほか、人が乗り物に乗って小物がある場所まで乗り付けることもできる。
一方、新開発のロボット「マモルくん」は目に埋め込んだ180°視野の高解像度カメラで人の行動を見守り、薬を飲むなどの動作を記録する。2度続けて飲もうとすると「40秒前に飲みましたよ!」などと警告する。
下山IRT機構長は、こうした支援ロボットを「小型車や軽自動車レベルの価格帯にして、普及させたい」と話している。
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