マテック八尾 ロボット分科会(http://matecyao.com/)は、リサイクル学習に役立つ「環境ロボット」(仮称)を開発、八尾市リサイクルセンター 学習プラザに納品した。アルミ缶とスチール缶、ペットボトルを、左右のハンドで把持することで判別することができる。また、音声認識・合成ソフトを実装しており、子供の質問に答えたり案内をしたりすることもできる。八尾市内の小学生を対象とした、資源ごみの分別や環境問題への学習に役立てていく。
環境ロボットは、左右のハンドで把持することでアルミ缶とスチール缶、ペットボトルの判別できるのが特徴。ハンド部に歪みセンサを搭載しており、これらを把持したときのわずかな変形を計測することで判定を行う。また判定時は、右手で判定しているときは首を右に、左手で行っているときは左に振ったり、あたかも一生懸命に考えているかのように、15秒程度をかけて解答したりするなど演習もなされている。
ただし、ペットボトルには薄肉成形されたものや、リブ加工が施されたものがあり、計測時の数値が、アルミ缶のものと酷似しているものがある。閾値の設定により誤判定をするときがあり、判定実績を積み重ねていくことで調整を図る。
音声認識・合成ソフトを実装しており、音声で判別の指示を受けたり、子供の質問に答えたり案内をしたりすることができる。ソフトには、オープンソースソフトの「Julius(*1)」(http://julius.sourceforge.jp/)を使用。現在は、質問には25程度を答えることができるが、学習プラザを訪問する子供たちの質問内容を確認したうえで、解答内容を入れ替えたり増やしたりしていく。
環境ロボットの仕様は、身長123cm、体重約60kg。片腕5軸、頭部2軸の計12軸から構成。リモコンモードで30m/minで走行する。サーボモータには、ヴイストン製のトルク115kg・cmと40kg・cmの2タイプを6つずつ使用した(写真左)。
本体下部にフォトリフレクタセンサ5つ(写真中央)を搭載しているが、現在はライントレースを行えない。ロボットの重量が大きいことと、搭載したドライバの処理能力が低いことによるもので、「ラインから大きく逸れやすいうえ、それを検知しても処理が間に合わない」(ロボット分科会長、たくみ精密板金の鈴木謙三氏)という。また、音声認識・合成などの情報処理系と制御系の切り分けをせずに、すべてWindows上で処理を行っているため、滑らかな腕の動きを実現できていない(写真右)。開発期間が短かったからであり今後、改良していくという。
今回の開発は、八尾市より約300万円で受託した。骨格部および外装部の製作はロボット分科会が、制御系および音声処理系の開発は、分科会と親交のある奈良先端科学技術大学院大学の学生が行った。また、デザイン(*2)は、NHKの番組などで活躍している造形師・すずきゆきひろ氏が担当した。この予算枠では困難な開発だったが、「ロボット開発に関する知識を獲得するという考えもあり、前向きに取り組んだ」(分科会副会長、関西クラウン工業社の温川政佳氏)という。
ロボット分科会は、経営・技術交流会であるマテック八尾の分科会活動として2004年6月に設立したグループで、八尾市内の中小企業14社から構成される。地元の児童を対象にしたロボットの工作教室を開催したり、ロボット教材「マテック君」を八尾市内の中学校に提供したりするなど、次世代のモノづくり人材の育成に努めている。また、今年2月には独自のロボット競技会として「八尾ロボコン」を開催した。
■注釈
*1:音声認識システムの開発・研究のためのオープンソースの音声認識エンジン。数万語彙の連続音声認識をパソコン上でほぼリアルタイムで実行することができる。また、発音辞書や言語モデル・音響モデルなどの音声認識モジュールを組み替えることにより、さまざまな用途に役立てることができる。
*2:ロボット本体に縦方向に付けられている矢印はリサイクルを表現している。また、頭部にはダイヤカットが施された缶を搭載するなど、細部にまでこだわってデザインがなされている。
■関連サイト
新産業の創造に挑む!なにわのロボット商人たち
第20回「次代のモノづくりを担う子供たちを育てるのが僕らの夢!」
~ロボット教室、ロボコン開催を通じてロボットの街を目指す~
鈴木謙三さん(たくみ精密板金製作所)、温川政佳さん(関西クラウン工業社)
http://robonable.typepad.jp/roboist/2009/01/20-d4c0.html
Robotコンサル小西の「超・思考法」 第9回 RTを活用した社会システムのリデザイン
http://robonable.typepad.jp/column/2008/12/rt-db9d.html
2009.02.18 大阪府八尾市の中小企業30社、21日に第1回八尾ロボコン開催
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090218-30211-.html
2008.11.28 生野金属、リサイクルゴミの減容を行うロボ開発。ログの蓄積も可能
http://robonable.typepad.jp/news/2008/12/20081128-icrt-1.html
2008.09.22 小中学生向けロボット教室、大阪・八尾市でスタート
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080922-666f.html
2008.08.04 来年2月に大阪府八尾市で独自のロボットコンテスト開催
http://robonable.typepad.jp/news/2008/08/20080804-2-edb3.html





