東芝(http://www.toshiba.co.jp/)と東芝テック(http://www.toshibatec.co.jp/)、産業技術総合研究所は、24日~26日開催の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2009(ROBOMEC2009)」で、共同開発した買い物支援ロボット搬送システムを紹介。確実な移動を可能にする自律制御アーキテクチャや、複数台のカメラで捉えた店舗情報に基づいて動的に経路生成を行う手法などを報告した。
開発したシステムは、おもに買い物客を案内する「案内ロボット」と商品を搬送する「搬送カート」、これらの自律移動を支援する計10台の環境カメラシステムから構成される。案内ロボットは地図や商品名をもとに案内先導を行い、搬送カートは登録した買い物客(*1)に追従して商品の運搬やレジへの先導を行う。環境カメラなどの情報をもとに、案内ロボットと搬送カートそれぞれが自己位置推定および経路生成をしながら行う。また、案内カメラは全方位カメラとステレオカメラ、超音波センサ、3台のレーザレンジファインダー(LRF)を、搬送カートは超音波センサと2台のLRFをそれぞれ搭載している。
自律制御アーキテクチャは、自己位置推定と経路生成、障害物回避動作の3層から構成される(写真下左)。全方位カメラで捉えた周囲風景をもとに自己位置推定を、環境カメラと搭載したLRFと超音波センサの情報をもとに経路生成をそれぞれ行う。反射行動的に行う障害物回避は、各ロボットが搭載するLRFと超音波センサをもとに行う(*2)。
経路生成は動的に行う。各ロボットが移動中に検出した障害物を、自身のサイズや移動速度を考慮しながら位置および形状として表し、直線や円弧などの簡単な表現で経路を生成する(写真下右)。同時に、環境カメラから得た各通路の混雑度の情報を加味して、経路の修正・生成をリアルタイムに行う。簡単な表現で経路生成・修正を行うため計算負荷が小さいうえ、地図情報に記されていない買い物客などを障害物として登録や削除を随時行える。動的に変動する人との共存環境への対応を可能にしている。
各ロボットの実際の移動は、その場で回転可能かどうか、また、障害物に近づきすぎていないかどうかなど確認しつつ、障害物が存在する確率も考慮しながら行っているという。
同システムは、NEDOの「戦略先端ロボット要素技術開発プロジェクト」で開発したもので、ステージゲートを通過した後には、案内ロボットと搬送カートを統合することを予定していた。開発拠点が離れているという事情から、東芝が案内ロボットを、東芝テックが搬送カートをそれぞれ開発していた。しかし、通過することができなかったため、すでに開発チームは解散しており、今後の開発は未定という。
■注釈
*1:買い物客の登録は、案内ロボットのタッチパネルを操作した際に、搭載したステレオカメラによりテクスチャ情報と形状情報として記録する。これらの情報もとに特定の買い物客を追従する。
*2:各ロボットの制御は、ART-Linuxによりリアルタイム制御を行っている。ミドルウエアにはRTミドルウエアを利用したが、ステージゲートの通過に有利に働くと判断したことが選択の理由という。
■関連サイト
2009.04.13 東芝と東芝テックなど、買い物支援ロボ開発、搬送・案内ロボの2台が連携
http://robonable.typepad.jp/news/2009/04/20090413-2-b96c.html
2009.02.16 NEDO、戦略的先端ロボ要素技術開発プロの継続事業を発表、早期事業化を目指す
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090216-nedo-6.html




