トヨタ自動車 パートナーロボット部の高木宗谷部長は「ロボラボトークセッション」で講演し、同社のロボット事業のターゲットについて言及した。自動車のように初めから量産効果が期待できる巨大市場を狙って開発しているわけではないとし、まずは必要としている方(身障者や疾患を有する人など)に向けて提供することを目指しているとコメントした。
トヨタでは、人と共生する「パートナーロボット」として、おもに家事支援、介護・医療支援、パーソナル移動支援、製造モノづくり支援の4分野に向けた開発を進めている(写真)。走ったりバイオリン演奏が行えたりする2足歩行ロボットのほか、介護・医療支援を行う介助犬ロボット、モビリティロボットとして「Mobiro(モビロ)」、「Winglet(ウィングレット)」などを発表している。また、今年度から5年間にわたって実施される「生活支援ロボット実用化プロジェクト」では、同社の提案が「搭乗型生活支援ロボットの開発」として採択されている。
おもに生活支援を目指した取り組みを展開していることを受け、「まずはロボットを必要としている方に提供することで、それを利用するうれしさを実感してもらう」。必要な機能を付加していくことにより「徐々にユーザー層が拡大していくはず」とし、トヨタといえども「当初から量産効果が期待される巨大市場をターゲットにしているわけではない」とコメントした。あくまで地道な開発を展開していく考えを示した。
また、想定するユーザー層は、ロボットがなければ生活を送るのが困難な人たちとし、特に「退院後に生活支援を必要としている方に向けて提供したい」と述べた。現時点では、ロボットが担うべき作業や人と協調して行う作業などの分析はできていないとのことで、今後の課題の1つとして「これらの作業の洗い出しを行っていく」とした。
さらに、こうした分野に向けた開発について、「ユーザー側での検証と、それに基づいたつくり直しを繰り返すことが重要」とし、「設計」「実装」「テスト」「要求分析」を繰り返し実行するスパイラル開発モデルを行うことを表明した。トヨタ記念病院で実証実験を実施しているが、医療などの現場では、このような開発が適していることを強調した。
なお、同講演では、NEDOとの契約を済ませていないことなどもあり、生活支援ロボット実用化プロジェクトに対する具体的な発言はなかった。
■関連サイト
2009.06.29 【速報】生活支援ロボ実用化プロの委託先にトヨタやサイバーダインなど
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090629-a50c.html
2009.06.30 【続報】生活支援ロボ実用化プロ、パナソニックの提案は新規開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090630-5003.html
2009.05.18 トヨタの高木氏、いずれは人型ロボットである方が最も便利な作業を行えるはず
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090518-bde9.html
記者ルポ「2009年、夢追うロボット開発 加速する実用化(上) -実験室からいよいよ飛び出すトヨタ・パートナーロボット-」
http://robonable.typepad.jp/report/2009/01/2009-11c5.html
2008.12.18 トヨタ、介護ロボットを2010年に実用化、09年には患者を相手に実証実験
http://robonable.typepad.jp/news/2008/12/20081218-201009.html
2008.09.16 【RSJ学術講演会】トヨタ、ウインドウ搭載アシストシステムを初公開
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080916-rsj-98.html
2008.05.22 ホンダとトヨタ、開発中のロボットシステムの普及に言及。モビリティロボットが実用に近いとの見方を示す
http://robonable.typepad.jp/news/2008/05/20080522-22b1.html



