三菱重工業(http://www.mhi.co.jp/)は、9月末で産業用多関節ロボット事業から撤退する。ピーク時には年間百数十台販売してきたが、自動車・電機業界の設備投資が低迷する中で、採算性が悪化。市場の需要回復が当面は期待できず、経営資源を他事業部門に振り向けた方がよいと判断した。コミュニケーションロボット「wakamaru(ワカマル)」は事業を継続する。
撤退するのは、神戸造船所(神戸市兵庫区)で生産してきた汎用多関節ロボットと、同造船所で生産し、100%子会社の三菱重工産業機器(http://www.sanki-mhi.co.jp/)で販売してきた塗装用多関節ロボット。保守用部品の販売や修理などのアフターサービスは当面継続する。汎用多関節ロボットは、大学などの研究機関向けや、出荷前の品質検査用途などの実績がある。ただし「PA10」の1シリーズのみで、競合他社と比べてもラインアップに乏しかった。
塗装ロボットは「MRPシリーズ」として小型から大型までを揃えており、自動車や電機メーカーの塗装ラインに納入実績がある。ただし、市場が縮小する中でロボットメーカー同士の競争が激化しており、撤退を決めた。9月納入分をもって生産・販売を終了する。
三菱重工産業機器は塗装ロボットと業務用洗濯機の2事業を手がけてきたが、すでに6月には洗濯機事業から撤退を表明している。9月29日を最終出荷としている。三菱重工は今後、同社を存続するかどうかを検討している。
日本国内の産業用ロボットの2008年出荷額は6,498億1,000万円と、前年比10.2%減。2009年についても4~6月期の出荷実績は前年同期比68.4%減の490億6,400万円となっており、マイナスになる公算が大きい。市場が縮小する中で、メーカー間の受注競争や技術開発競争は激しさを増している。
なお、wakamaruは2005年秋から冬にかけて東京都内で100台を限定販売したが、28台の販売にとどまった。当初は一般家庭のみの販売としていたが、レンタルでの提供や異業種との応用開発に力を入れている。wakamruの開発チームは「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト」(NEDO)の「知能モジュール群の開発・コミュニケーション知能(社会・生活分野)の開発」に参加している。
■関連サイト
2009.06.30 2008年のロボット出荷台数10%減、電子部品実装機の落ち込みが響く
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090630-200810.html
2008.10.13 【ROBO JAPAN】チャイルド、wakamaruを活用した幼稚園向けアプリ提供
http://robonable.typepad.jp/news/2008/10/20081013-robo-2.html
2008.10.08 三菱重工、wakamaruの異業種交流を拡大、幼稚園などに向け新規市場拡大めざす
http://robonable.typepad.jp/news/2008/10/20081008-wakama.html


