人間の眼球運動機能を有する3次元視覚センサの開発企業である東京工業大学発ベンチャー・Bi2-Vision(ビーアイツービジョン、張暁林社長=東工大精密工学研究所准教授)が視覚センサビジネスに参入する。人間の眼球のように協調して動作させる独自開発の「アクティブ両眼視覚センサー」により、車載システムや監視センサなどへの事業に本格的に取り組む。4年後に事業規模で年間10億円以上を目指す。
アクティブ両眼視覚センサーは、人間が有する、2つの眼球を協調して動作する仕組みや網膜の視覚情報を処理する仕組みなど眼球運動機能を統合的に実現したもの。具体的には、対象物との距離に応じて複数のカメラを同時に1点に向けて注視できる1つの「眼球」の中に広角カメラと望遠カメラが設置してあり、広い視野を持ちながら、個々の「眼球」の向きを変えることで望遠カメラから見たい対象物の画像を高解像で得られる。また、個々のカメラの姿勢制御や画像データの校正により視線を安定できる振動補償(*)を実現しており、視線の切り替えや自動追尾を容易に行える。
同センサは2010年5月より販売を開始する。このほかモータ制御ドライバや広域遠距離監視システムなども、関連メーカーと共同で商品化する。
車載用としては、工場施設や福祉施設などで利用される無人車両などに向けて、また、監視用センサとしては、まず市販PTZ(パン・チルト・ズーム)カメラを用いて、人や車両など広域遠距離の目標の3次元空間位置計測や、カメラネットワークの協調作業による多視点・全方位からの映像監視に向けて販売する。
同社は大学発ベンチャーとして資本金300万円で8月に設立した。同視覚センサは科学技術振興機構(JST)が支出する産学連携事業の研究開発委託費(2009年度までの3年間で約1億5,000万円)を活用して開発した。
■注釈
*:人間の前庭動眼反射に相当するもの。前庭動眼反射は人間の耳の中にある三半規管および耳石からの頭部運動信号により眼球を制御する眼球運動で、例えば、頭部は右に回転する場合、眼球は自動的に左に回転することによって視線を安定させると言われている。
■関連サイト
2009.07.27 富士通、物体の3次元位置や動きを認識するロボット向け画像処理モジュール開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/07/20090727-3-4c38.html
2009.03.09 パナソニック、特定エリアの侵入検知に使える距離画像センサ応用防犯システム出展
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090309-effe.html
2009.03.09 東芝、人物検出技術とカメラ画像による在籍管理を活用した省エネ制御を披露
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090309-517c.html
2009.01.14 東芝、不審者チェックなどセキュリティ精度の向上に寄与する人物検出技術を開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/01/20090114-7786.html
2008.05.14 富士通研、複数カメラ映像を瞬時に合成する技術を開発。購買活動調査などに応用可能
http://robonable.typepad.jp/news/2008/05/20080514-d505.html
2008.02.15 三菱電機、ロボ向け3次元視覚センサーを製品化-小型・高速化
http://robonable.typepad.jp/news/2008/02/20080215-d0aa.html


