機械振興協会技術研究所は、デンソーウェーブ、東京農工大学と共同で、ロボットを使った外観検査ラインを円滑に構築するシミュレーション技術を開発した。製品やFA機器の3次元CADデータを用いて、実ラインと同環境の仮想空間でロボットによる外観検査を事前検証できる。現場での調整作業を1/5にし構築時間を大幅に削減する。人手に頼っている外観検査の自動化に拍車がかかりそうだ。
自動車関連などの製造業では、人による目視検査での見落としや判断ミスの防止からロボットとカメラでの外観検査の自動化ニーズが高い。しかしながら、ワーク1つ当たりの検査ポイントが膨大でカメラの焦点距離や撮影タイミング、ロボットの効率的な動作の調整などは実際のライン上で時間をかけて試行錯誤する必要がある。システムの構築にかかるリードタイムの短縮や、製品を追加する際のラインの停止をいかに低減するかが課題になっている。
今回、ロボットやFA機器のシミュレータと製品データ、カメラの視覚検査プログラムを融合。1つの仮想空間で連動し、実空間に近い精度で外観検査のシミュレーションを可能にした。ワークの背景や障害物を考慮し、最適な検査点やロボットの動作を加算する。併せて、加工対策の傷などの欠陥を仮想上で再現する技術も確立した。実験で「視覚研鑽プログラムの構築に必要な画像精度を仮想で実現できた」(日比野浩典 機械振興協会技術研究所 技術主幹)ことを確認している。
ロボットやPLCなどFA機器の通信インターフェース「ORiN:Open Resource interface for the Network/Open Robot interface for the Network(オライン)」を活用し、実機制御システムとの融合を容易にした。外観検査プログラムの作成にかかる現地作業を減らし、品番の追加、変更など稼働後の修正作業も半分にできる。例えば、自動車部品のバリを見る検査では、現場で検査エリアを囲む範囲指定のみを行えばよい。自動化ラインの新規構築にかかる全体のリードタイムを3割削減できるという。
現在、特許出願中。今後は、評価実験を続けるほかシミュレーション技術の外販も検討する。11月25~28日開催の「2009国際ロボット展」に出展を予定する。
■関連サイト
2008.12.08 【SI2008】セック、RTミドルとORiNとの連携を発表、RTCの監視にORiN活用
http://robonable.typepad.jp/news/2008/12/20081208-si20-2.html


