京都大学発のベンチャー・ロボ・ガレージの高橋智隆代表は、ジャンプや駆け足など素早い動作が行える人型ロボット「ROPID(ロピッド)」を開発、公開した。脚の各関節を機械的に拘束し、かつ連動させる独自機構により安定したジャンプや駆け足ができる。脚の長さの半分程度に相当する約8cmのジャンプを実現した。
公開したROPIDは、股関節部と膝部、足首部の各関節をタイミングベルトで機械的に拘束し、かつ連動させたのが特徴。素早い屈伸動作をバランス良く行えるようになり、安定した姿勢でのジャンプや走行動作を可能にした。人型ロボットでは、姿勢より脚部の各関節の動作に必要とされる速度やトルクが異なるために、素早い運動時にバランスを崩すことがあるが、これを解消した。
また、左右の脚それぞれにジャイロセンサおよび加速度センサを実装。左右で独立して検知、制御することで、回転歩行時など脚の向きが異なる場合でも常に一定の姿勢制御を行えるようにした。
音声認識ボードを実装することで、音声対話も行えるようにした。雑音環境下でのロバストな音声認識に定評のあるレイトロン製を利用した。ノイズキャンセラーの研究を行う北海道大学の宮永喜一教授と共同開発したもので、同教授が開発したアルゴリズムをハードウエア化し実装している。また、CPUボードにはヴイストン製を利用している。
ROPIDは、身長38cm、重量1,600g。自由度は脚部14、胴体1、腕部10、頭部4の計29自由度から構成される。製作には2年半を要した。技術やコンセプトを検証するためのものであり、発売の予定はない。同社では「SHIN-Walk」(*)の技術検証を行うモデルとして「Chroino(クロイノ)」を開発、発表しているが、これと同様の扱いと言える。
同社は、オリジナルロボットを定期的に発表し、それをモチーフしたロボットを企業と共同開発する取り組みを展開している。京商より発売された「MANOI(マノイ)」はChroinoをモチーフに商品化されており、共同開発を希望する企業があれば、同様にROPIDをモチーフにしたロボットの商品があるかもしれない。
■注釈
*:股関節と足首のロール軸をオフセットさせ、体重の左右の移動時に生じる地面と足裏との距離の変化を利用して膝を曲げずに歩行する技術。機構的な工夫により膝を伸ばした歩行を可能にしており、ホビーサイズの小型ロボットにも低コストで実装しやすい技術と言える。ROPIDの脚部における機構的な工夫も、これに通じるところがあると言える。
■関連サイト
RT基礎講座「ロボットのグッドデザインを考える」
第3回 「人と心地よい関係を築くことができるデザインを」ロボ・ガレージ 高橋 智隆さん
http://robonable.typepad.jp/trend/2007/08/post_2e9a.html
連載「新産業の創造に挑む!なにわのロボット商人たち」
第10回「音声認識は有力なインターフェースであり、あらゆる機器に搭載したいです」
~音声認識技術により“コトバ”による情報化社会を目指す~ レイトロン 長田隆宏さん
http://robonable.typepad.jp/roboist/2008/08/10-a08b.html
2009.04.15 ライフスタイルが変化し、ロボがいる時代になればよい、ロボ・ガレージ・高橋氏
http://robonable.typepad.jp/news/2009/04/20090415-096f.html
2008.10.31 もっと野心と知的好奇心を持つべき。ロボ・ガレージ高橋代表
http://robonable.typepad.jp/news/2008/10/20081031-a24e.html
コラム「人とロボットのより良い関係」
第1回「大人の女性をイメージしてー ロボットの半分は女性型に」
http://robonable.typepad.jp/column/2006/11/__e5ac.html
第2回「ロボットヒーローが作りたい」
http://robonable.typepad.jp/column/2006/12/post_b893.html
第3回 「人とロボットは共存する」
http://robonable.typepad.jp/column/2007/01/post_5a49.html


