富士重工業は、CADとの連携により清掃ロボットの走行プログラムを自動的に生成できる「走行プログラム自動生成システム」を開発した。CADで作成した建物の図面上に走行経路を入力するだけで、RTミドルウエアによりコンポーネント化したソフトウエアモジュール(RTコンポーネント:RTC)を自動的に選択し、組み合わせることで生成する。2012年以降には清掃ロボットに基本的なRTCを実装し、走行プログラム自動生成システムおよびプログラム管理機能をユーザー(清掃事業者)にライセンス販売することで、清掃事業者が任意に経路変更を行えるようにする(写真1)。これらのシステムを清掃ロボットと一体でビル管理会社などに提供し、これらのプロバイダーと一体となって運用方法および清掃ノウハウなどを清掃事業者に提供することで、清掃ロボットの普及拡大を目指す。 写真1 清掃ロボットに基本的なRTCを実装しておき、走行プログラム自動生成システムおよびプログラム管理機能を清掃事業者にライセンス販売することで、彼らが任意に経路変更を行えるようにする。同社では、これを「第3フェーズ」と表現している。今回の発表は「第2フェーズ」に当たる。
開発したシステムは、「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト(移動知能)」(NEDO)で取り組んでいたオフィスビル清掃ロボット用RTC化の成果の1つ。経路地図にもとづいてRTCを選択すればプログラムが生成される対話方式(写真2)をすでに開発していたが、新たにCAD図面との連携機能を開発することで自動化を図った。CAD図面に清掃エリアと清掃開始地点および終了地点を入力するだけで自動的に生成される。「20~30分程度で自動生成」(クリーンロボット部の石川和良システム技術課長)され、走行プログラムの作成にかかる作業工数は90%削減されたという(同社調べ)。また、入力作業がなくなるため人的ミスがなくなり、走行プログラムの品質および信頼性の向上にもつながる。
写真2 対話方式による走行プログラム自動生成システムのインターフェース。経路地図にもとづいて画面上でRTCを選択すると走行プログラムが自動生成される。使用環境での床材などの差違を補正できるようパラメータの調整機能も備える。
同プロジェクトが終了後の2012年度以降には、RTCを実装した清掃ロボットに加え、走行プログラム自動生成システムのライセンス販売およびプログラム管理機能の展開を予定している。
現在、富士重工では管理者である同社と清掃事業者に持ち出した走行プログラムが一致するよう、清掃現場での走行試験の実施および調整、同社管理サーバーへの取り込み、点検・認可・確定した後に清掃事業者に引き渡すという手順を踏んでいる(詳細はこちら)。このような仕組みや機能をユーザー対応に改良した後に展開することを予定しており、これにより清掃事業者でも任意に経路変更が行えるようになる。ただし、清掃事業者側での新規RTCの作成、論理の変更などは不可とすることを条件とする。
これらの展開により、清掃ロボットをビル管理会社や駅および空港の管理会社に提供し、これらが清掃事業者に運用方法とともに提供、利用させるという関係が成り立つ。管理会社をはじめとするプロバイダーと一体となって清掃ロボットの普及拡大が図れると見ている(写真3)。すでにビジネスパートナーである住友商事とは、このような仕組みで住商の物件に展開しているが、これを他社にも拡大することになる。
また、走行プログラム自動生成システムの清掃事業者への展開は、「産業用ロボットにおいて、ユーザーが任意に教示することで思い通りに利用しているとの同じことになる」(同部の青山元部長)とし、同社の開発負荷が軽減されると同時に、清掃事業者にとっては使い勝手が格段に向上するため、普及拡大に寄与すると見ている。
写真3 ビル管理会社や駅および駅ビルの管理会社、空港管理会社に清掃ロボットを販売。これらが運用方法などともに清掃ロボットを清掃事業者に提供、さらに走行プログラム自動生成システムをライセンス販売する。富士重工では管理会社もメーカーと見立て、これらプロバイダーと一体となった清掃事業者への展開を目指す。
なお、開発したRTCは外販を予定しており、オフィスビルや空港などの実環境で検証を行い、信頼性および再利用性が確認されたものから順次提供する。残り2年間となった同プロジェクトでは、「外販に向けた確認作業に注力していく」(石川システム技術課長)。
走行プログラム自動生成システムは、対話式およびCAD図面連携機能の両方を25~28日開催の「2009国際ロボット展」に出展する。
同社クリーンロボット部では、これまでに清掃ロボットや搬送ロボットなど計80台以上を販売している。年間の売り上げ規模は5~6億円程度という。
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2009.09.16 富士重工、知能化モジュール提供へ、ユーザー側で清掃ロボの走行プログラム作成可
http://robonable.typepad.jp/news/2009/09/20090916-2f08.html
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090527-rtm-bd.html
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080910-rsj2rt.html


