豊田自動織機は、豆腐のような柔軟物の重量や硬さを瞬時に判断して把持するロボットハンドを開発した。フォークリフト用モータ技術を応用して開発した高出力超音波モータを採用しており、3kgの重量物を保持することができる。同社がロボットを開発するのは初めて。1、2年後に実証実験を開始し、倉庫でのピッキング作業などに向けて事業化を目指す。
開発したロボットハンドは3本の指から構成され、指の付け根に2つ、指の中間に1つの関節を有する。それぞれに超音波モータを搭載している。指先のセンサで摩擦係数や必要な保持力を計測する。超音波モータは静止時の保持力が大きく、かつ無通電で保持できるという特徴を備えており、例えば保持した状態で、瓶に液体が流入して重さや硬さが変化した場合も、把持し続けることができる。
超音波振動で駆動する超音波モータは高精度で位置決めができ、通常の電磁モータと異なり永久磁石を使わないため小型化に有利。また、減速機も付加しないため、人の手のサイズにまで小型化できた。同社によると、超音波モータを利用したロボットハンドは、大学などが最大保持力100~200g程度のものを開発した例があるが、いまだ実用例はないという。
併せて、カメラやタッチパネルと連動した遠隔操作技術も開発した。遠隔地で人間が物を掴むような動作をすると、同様にロボットが動作する。高所など人間が作業しにくい場所での利用を想定している。また、人がタッチパネルで選択したものをロボットが選んで把持することもできる。
同社は、無人搬送機やピッキングシステムなどの物流システムを手がけている。自社開発のロボットを製品化すれば物流事業の強化につながる。また、新規分野として工場や病院などへの用途拡大も目指す。なお、開発したロボットハンドは11月25~28日開催の「2009国際ロボット展」で参考出品する。
■関連サイト
2009.10.16 ホンダ、油圧機構で動作する5指ハンド開発、1モータで5指を連動して動作
http://robonable.typepad.jp/news/2009/10/20091016-515-d6.html
2009.09.14 東大と千葉大など、片手で高速に紐を結ぶことができる多指ロボットハンド開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/09/20090914-ff54.html
2009.08.27 東大の石川教授、ピンセットを扱えるハンド開発、多能工ロボットの実現が期待
http://robonable.typepad.jp/news/2009/08/20090827-6115.html
2009.08.27 千葉大の並木教授ら、指先の回転機構で短時間での持ち替え動作なハンド開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/08/20090827-aa6b.html
2009.08.21 広島国際大の今村教授、異形対象物や柔軟物を扱えるメカニカルハンドを披露
http://robonable.typepad.jp/news/2009/08/20090821-f573.html
2009.06.11 スキューズ、人の手を模したロボットハンド公開、同一制御でハンドリング可
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090611-d1d4.html
2009.03.30 早大の菅野教授、ハードウエア設計と環境構造化の重要性を強調
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090330-69d6.html
2009.02.03 特許業務のオンダテクノ、ロボットハンド製造販売のダイニチ子会社化
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090203-a6a1.html


