富士重工業は、「2009国際ロボット展」にてCADとの連携により清掃ロボットの走行プログラムを自動的生成できる「走行プログラム自動生成システム」(写真上)を披露した。CADで作成した建物の図面上に走行経路を入力すればRTミドルウエアによりコンポーネント化したソフトウエアモジュール(RTコンポーネント:RTC)を自動的に選択し、組み合わせることで経路を自動生成する。従来の対話式システムと比較して作成にかかる作業工数が90%削減されたものの、CAD上で経路を描く手間があるうえ、生成された走行プログラムがRTCの一覧で表示されるなど、使い勝手に課題があることを明かした。新開発のオフィス専用部向け清掃ロボットの実証実験と併行して、使い勝手の向上を図るという。
開発したシステムは、「次世代ロボット知能化技術開発プロジェクト(移動知能)」(NEDO)で取り組んでいる、オフィスビル清掃ロボット用RTC化の成果。すでに経路地図にもとづいてRTCを選択すればプログラムが生成される対話方式(写真下)を開発していたが、新たにRTC化した「走行プログラム自動生成モジュール群」によりCADとの連携による自動化を図った。おもに作業工数の削減と、人的ミスの削減による走行プログラムの品質および信頼性の確保を目的に開発した。
CAD上に清掃エリアと清掃開始地点および終了地点を入力するだけで自動的生成されると紹介したが、厳密には、「CAD上で走行経路を描く手間があり、描き方によっては、走行経路が重なっている場合がある」(クリーンロボット部の石川和良システム技術課長)。
また、自動生成された走行プログラムは以前の対話式と同様、組み合わせたRTCが一覧で表示されるため(写真下)、必ずしも使い勝手が良いとは言えない。同社では管理優先のソフトウエア開発を行っており、RTCのモジュールの粒度は、ソースコードで100行以内に制限している。短いものでは10数行程度のRTCもあり、生成された走行プログラムは100数十個にも及ぶRTCとして一覧で表示される。清掃作業者が理解するのは困難であり、例えばCAD画面上で簡易なシミュレーション結果が表示されるなど、動画を交えたリッチコンテンツで表示される方が望ましい。
現在はまだ開発途上であり、「オフィス専用部向け清掃ロボットの実証実験に取り組みつつ、使い勝手の向上を図る」(同)という。上述の走行経路の重複に関しては、CAD上で専用部の各種寸法データを保持しているため、オフィス専用部向け清掃ロボットのサイズが決定すれば、容易に改善されると判断される。
なお、同社は2012年以降には清掃ロボットに基本的なRTCを実装し、走行プログラム自動生成システムおよびプログラム管理機能をライセンス販売することで、清掃事業者が任意に経路変更を行えるようにすることを予定。これらのシステムを清掃ロボットと一体でビル管理会社などに提供し、これらのプロバイダーと一体となって運用方法および清掃ノウハウなどを清掃事業者に提供することで、清掃ロボットの普及拡大を目指すことを表明している。また、開発したRTCは外販を予定しており、実証実験を通じて、信頼性および再利用性が確認されたものから順次提供することも予定している。
■関連サイト
2009.11.25 富士重工、オフィスビル専用部向け清掃ロボ開発、レーザ三角測量で自律移動
http://robonable.typepad.jp/news/2009/11/25subaru.html
2009.11.21 富士重工、CADと連携可能な走行プログラム自動生成システム開発、ライセンス販売へ
http://robonable.typepad.jp/news/2009/11/21subaru.html
2009.09.16 富士重工、知能化モジュール提供へ、ユーザー側で清掃ロボの走行プログラム作成可
http://robonable.typepad.jp/news/2009/09/20090916-2f08.html
2009.05.27 富士重工、RTM化するソフトウエアモジュール紹介、磁気およびジャイロ走行可能に
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090527-rtm-bd.html
2008.09.10 【RSJ学術講演会】富士重、2段構えの開発でRTM準拠知能モジュールの提供を検討
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080910-rsj2rt.html


