プレックスなどは「2009国際ロボット展」にて、「戦略的先端ロボット要素技術開発プロジェクト」(NEDO)で開発している洗濯物ハンドリングシステムを公開した。リネンサプライ業など業務用洗濯ライン工程に向けたもので、タオルなど四角形の定型洗濯物を1枚ずつ取り出し、一辺を把持して位置合わせをした後、仕上げラインへの投入を行う。今後、タオル以外が混合した洗濯物を分類できるシステムへと発展させ、2013年の実用化および親会社となるリネンサプライ業のトーカイへの納品を目指す。リネンサプライ業での業務用洗濯ラインは多くの工程が自動化されている。仕上げラインへの投入は人手作業で行っており、同システムの実用化により一貫した自動化が達成される。
同システムは、作業者のハンドリング作業を分析して開発した。具体的には、(1)布の山から1枚を分離・取り出し、(2)布の1つのコーナーの認識および把持、(3)布の一辺を認識し辺として把持、という3工程で仕上げ工程への投入を行っており、同様の作業ができるシステム構成にしている。おもに2台のハンドリングロボットと横行スライダ、全体視覚センサ、手先視覚センサ、姿勢補正バー、コーナー抽出補助コンベヤ、排出コンベヤ、それと一体となった布たぐり補助装置などから成る。
ハンドリングは次のような手順で行う。まず上部に設置した全体視覚センサにより山積みされた洗濯物の形状を抽出し、最も高い位置にある洗濯物を把持位置として認識。ロボット(動画左側)で取り上げてコーナー抽出コンベヤ上に配置し再度、全体視覚センサで布のコーナー付近を抽出して、ロボットで掴み直したうえで横行スライダのハンドに手渡す(動画参照)。次に、横行スライダによる斜め上への引き上げ動作により姿勢補正バーにかけ、布コーナー部を再度抽出。ロボットの手先動作を捉える手先視覚センサでコーナー部の位置と姿勢を計測し、もう一方のロボット(動画右側)による把持位置と方向を決定する。そして、このロボットにより布たぐり補助装置を通過させ、布を平行にした状態で排出コンベヤ(動画手間のコンベヤ)により仕上げラインに投入する(動画では、タオルがきれいに伸ばされた状態で排出されているのが確認できる)。
動画 上に配置した全体視覚センサで山積みされたタオルを認識して最も上のものを把持。コーナーを抽出した後、ピン付き平行リンクフィンガーハンドを搭載するロボットで掴み直して奥にある横行スライダのハンドに手渡す。夜間作業をイメージしているため、暗い中でのデモとなっている。
もう一方のロボット(動画右側)にはたぐり作業が行える2フィンガーのハンドを有しており、人手作業と同様に辺として把持することができる。ゆえに、平行度を補正しながら布たぐり補助装置、排出コンベヤへのセットが行える。最初に洗濯物を取り上げるロボット(動画左側)には、ピン付き平行リンクフィンガーハンドを搭載している。
また、視覚センサはステレオカメラによる3次元計測にパターン投影を組み合わせている。全体視覚センサではパターン光を照射し、投影パターンをステレオカメラで捉えることで最も高い位置の布を認識する。手先視覚センサでは姿勢補正バーに垂れ下がった布に対し横方向からパターンを投影し、コーナー付近を3次元計測した情報とパターン投影による2次元画像を組み合わせることでコーナー部分の位置と姿勢を認識している。これら全体視覚センサと手先視覚センサを組み合わせた「相対ステレオ視を実用化する目的から、開発プロジェクトが立ち上がった」(展示会説明員)という。
公開したシステムは定型洗濯物に向けたものであり、今後はタオルのほかシーツや枕カバー、ガウンなどが混合した洗濯物をハンドリングできるようにするほか、上述の作業工程の圧縮にも取り組む。2013年には実用化し、トーカイの工場に導入する。このようなリネンサプライ業界向における投入機システムは、国内市場が約92億円、世界市場で約360億円に上るだろうと試算されており(NEDO公開資料より)、プレックスが有している代理店販売網を活用して「トーカイ以外のリネンサプライ企業にも提案することを予定している」(同)という。
■関連サイト
2009.08.28 NEDO、戦略的ロボ要素技術開発プロ中間評価を公開、ステージゲートなどに質問
http://robonable.typepad.jp/news/2009/08/20090828-nedo-9.html
2009.07.15 IRSなど、新型レスキューロボット公開、マニピュレータによるドアの開放を披露
http://robonable.typepad.jp/news/2009/07/20090715-irs-cb.html
2009.05.29 東芝など、買い物支援ロボット搬送システムの自律制御などを報告、開発は中止に
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090529-fdc6.html
2009.05.26 東急建設、開発中の双腕型廃棄物・選別システム、センサシステムを見直しへ
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090526-a4bd.html
2009.05.12 IRS、NEDO継続事業として開発を進める遠隔操作ロボの実証実験を公開
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090512-irsned.html
2009.03.25 東北大学 食器洗浄・収納ロボを公開、重なった食器を1枚ずつハンドリング
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090325-1-8481.html
2009.02.16 NEDO、戦略的先端ロボ要素技術開発プロの継続事業を発表、早期事業化を目指す
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090216-nedo-6.html


