大阪府八尾市の中小製造業などで構成される異業種交流グループ「マテック八尾」のロボット分科会は16日、「第2回 八尾ロボコン」のプレ大会を開催した。参加を予定する計10チーム(1月15日現在)が顔を揃え、製作したロボットの動作検証や操作訓練などを行った。本戦は2月13日開催の「第2回八尾ロボットフェア2010」の一環として13時30分より実施される。
八尾ロボコンおよび八尾ロボットフェアは、八尾市民にロボットに触れ合う機会を提供し、その可能性を理解してもらうのが目的。モノづくり人材の確保で成果を上げつつある。また、参加企業がロボット関連技術を蓄積し、ロボット産業への参入を促す狙いもある。今年で2回目の開催となる。
今回の競技課題は、大和川に見立てた川ゾーンからゴミを回収し、得点ゾーンに搬送すること。「粗大ゴミ(アルミ立方体)」「複雑ゴミ(アルミ正四面体)」「スチール缶」「アルミ缶」の4種類のゴミがあり、得点ゾーンに回収すると、それぞれに4点、10点、2点、4点の得点が与えられる。3分間でより多くの得点を上げたチームが勝利となる。競技終了時にロボットがゴミを保持している場合でも、川ゾーンから出ていれば半分ずつの得点が与えられる。なお、各チームには子供を3名以上参加させることを義務づけており、ロボットの操作は子供たちが行う。
ロボットの制限は、競技開始時にサイズが600(縦)×600mm(横)×1,000mm(高さ)の立方体に収まっており、重量は30kg以下。それ以外には総製作費が16万円以下に規定されている程度であるため、それぞれにアイデアを盛り込んだ様々なロボットが登場した。
「若ごぼう」チームは、マスター・スレーブ方式で6軸垂直多関節アームを操作してゴミ回収を行うロボットを披露した(動画1)。マスター側となる操作部とスレーブ側となるロボットアームは同じ軸構成としており、手で操作(入力)した角度情報を伝えることで同じ動作をさせる。マスター側の軸構成が少々複雑なため当初、操作体験をした子供は扱いにくそうだったが、後半では複雑ゴミを扱えるにまで使いこなしていた。
これに対し、プレ対戦した「竹の子ジュニアロボクワ△(三角)」は競技開始と同時に折り曲げたバーを開放し、それに粗大ゴミを引っかけて回収する様子を披露した(動画1、動画2)。複雑ゴミは、本体前方に設置したエア吸着機構で回収する。
さらにシンプルな構造を披露したのが「河内のQ太郎」チームで、本体前方の回転機構によりゴミを一気に回収し、得点ゾーンでは逆回転して排出するロボットを披露した(動画2)。競技終了時でも本体内に多数のゴミを保持することができ、シンプルながら高い得点能力を示した。そのほか大阪工業大学の「OITエンジュニア」チームが、ハサミのようなロボットアームでピッキングし、本体後方の荷台に積載して回収するロボットを披露した。
プレ大会は、大会本番までまだ1カ月近くあり、実際に動作検証などができたのは半数程度にとどまった。残り約1カ月で完成し、本番に備える。なお、八尾ロボフェスタでは八尾ロボコンの開催のほか、協力する大阪産業大学や大阪工業大学、奈良高等専門学校が展示ブースを出展し、それぞれの研究成果を紹介する。
動画1 若ごぼうチーム(右)と竹の子ジュニアロボクワ△(左)のプレ対戦。若ごぼうチームのロボットアームは、開発費の上限を考慮し、昨年出場したロボットのものを流用している。また、駆動系には電動アシスト自転車のモータやチェーンを活用している。本来、スレーブ側に先端位置の情報が伝わればよいので、マスター側の軸構成をもっと簡素にすれば扱いやすいと思われる。操作は2人で行い、ロボットアームと駆動系それぞれを操作する。
動画2 河内のQ太郎チーム(右)と竹のジュニアロボクワ△(左)のプレ対戦。河内のQ太郎チームはシンプルな方法ではあるが、ゴミの回収能力は群を抜いており、優勝候補に挙がっている。
■「第2回 八尾ロボットフェア2010」概要
■関連サイト
2009.10.14 マテック八尾、小さなロボット博を開催、操作体験など体験重視の授業で好評
http://robonable.typepad.jp/news/2009/10/20091014-cab0.html
2009.05.12 マテック八尾ロボ分科会、環境ロボット開発、ハンドで資源ごみを判別
http://robonable.typepad.jp/news/2009/05/20090512-39d1.html
2009.02.18 大阪府八尾市の中小企業30社、21日に第1回八尾ロボコン開催
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090218-30211-.html
2008.09.22 小中学生向けロボット教室、大阪・八尾市でスタート
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080922-666f.html
2008.08.04 来年2月に大阪府八尾市で独自のロボットコンテスト開催
http://robonable.typepad.jp/news/2008/08/20080804-2-edb3.html
トレンドウォッチ
大阪・八尾に見る、ロボットを利用したモノづくり人材の環流
-ロボット産業の育成ばかりが雇用創出につながる施策ではない-
http://robonable.typepad.jp/trendwatch/2009/08/post-adb9.html
新産業の創造に挑む!なにわのロボット商人たち
第20回「次代のモノづくりを担う子供たちを育てるのが僕らの夢!」
~ロボット教室、ロボコン開催を通じてロボットの街を目指す~
鈴木謙三さん(たくみ精密板金製作所)、温川政佳さん(関西クラウン工業社)
http://robonable.typepad.jp/roboist/2009/01/20-d4c0.html


