東京工業大学の川嶋健嗣准教授らは、小型化した新手術支援ロボットシステムを開発した(写真は開発したシステムを利用しての動物実験の様子)。操作性を維持しつつ従来より小型化した。空気圧から鉗子にかかる力を検知してセンサなしで操作側に力をフィードバックする独自技術で、腹腔鏡手術の鉗子操作を正確に行う。米国の手術支援ロボット「da Vinci(ダヴィンチ)」などと並び、医療技術の向上への貢献が期待できる。企業などと組み実用化を目指す。
開発したシステムは、手で操作する側のマスターマニピュレータ部と、鉗子を使い手術を施す「IBIS」と名付けたスレーブ側で構成。マスター側は電動、スレーブ側は空気圧駆動を採用した。患部を映した画面を見ながら遠隔操作で手術を行う。患部にかかる力が操作側に伝わるため、無理な力をかけて患部を傷つけるリスクも低減する。鉗子にセンサが不要なためコストを抑制することができ、洗浄などの手間も減る。現在のda Vinciでは触覚や力覚をフィードバックすることができず、その改善に向けた研究開発に取り組まれている。
今回開発したのはバージョン4.1。旧版の3.0を比較してアーム片腕分の重量が半分以下の1.3kg。サイズもひと回り小さい。da Vinciは大型で、かつ患者に覆いかぶさるような形状のため、「ロボットが与える圧迫感や不安感を排除した」(只野耕太郎助教)。
遠距離での遠隔操作も、通信の遅れを考慮した制御技術を実装すれば、安定した手術が可能という。
■関連サイト
2009.07.17 早大、ロボット技術を活用した脳手術訓練装置を開発、動きを評価して自動採点
http://robonable.typepad.jp/news/2009/07/20090717-a1a8.html
2009.03.27 早大、手術支援ロボ試作、術具と心臓の動きを一致させて負担を軽減
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090327-1d22.html
トレンドウォッチ
「手術ロボットの運用で、わが国は海外から完全に遅れをとってしまう・・・」
手術ロボットの最新モデル「da Vinci S HD」を使って執刀・藤田保健衛生大学 宇山一朗教授に聞く
http://robonable.typepad.jp/trendwatch/2009/02/da-vinci-s-hd-2.html


