仏Aldebaran Robotics(アルデバランロボティクス)社は、2~5日開催の「5th ACM/IEEE International Conference on Human-Robot Interaction」で研究・教育用ヒューマノイド「NAO」を展示。各種センサで自身の運動を計測し、適切なフィードバックを与えることで押されても歩行できる安定化制御を披露した。
NAOは、全身25自由度(頭部2、腕5×2、脚6×2、腰×1)を有するヒューマノイド。各関節にはスイスmaxson motor(マクソンモータ)社のコアレス型サーボモータを搭載しており、0.1°ごとに角度制御が行える。おもなセンサには2軸ジャイロと3軸加速度センサに加え、左右の足裏には計4個の圧力センサを搭載している。
デモでは、歩行中に一方から押されてもバランスをとることで転倒を防いだり、足裏の一部がノートに乗っても(凹凸面に乗っても)安定して歩行したりする様子を披露した(動画1)。実装した安定化制御系の詳細は不明だが、基本部分は一般になされているように、床反力センサをもとに床反力の圧力中心(=ZMP)を算出し、同時に各種センサで検出した傾きなどの運動を検出することで歩容を修正し、実際のZMPを目標ZMPに追随させていると推定される。例えば、2月に富士ソフトが発表した研究・教育用ヒューマノイド「PALRO(パルロ)」も同様のセンサ類を搭載することで、このような制御を行っている。
また、新たに開発したシミュレータにより、モニター上でプログラムの動作確認が行える様子も紹介した。NAOには、タイル状のオブジェクトを組み合わせることでプログラミングが行える専用エディタが用意されており、シミュレータを利用することで容易に動作確認が可能になった(動画2)。
NAOは、2008年よりRoboCupのスタンダードプラットホームリーグの公式ロボットに採用され、ロボカップ2009世界大会では、18カ国から参加した24チームが3対3のサッカー競技を行っている。世界各国の研究機関で利用されており、日本ではアールティが国内総代理店として販売を手がけている。国内価格は約200万円。
仏Aldebaran Robotics社は現在、欧州で取り組まれている、高齢者や視覚障害者を支援するヒューマノイド開発プロジェクト「ROMEO」や、環境の変化に適応できるロボットの研究開発「Feelix Growing」で中心的な役割を果たしている。
動画1 NAOの歩行デモンストレーション。実装した安定化制御系により外乱に対応して歩行し続ける様子を披露した。
動画2 左が専用のモーションエディタ。タイルを組み合わせて起き上がりモーションを作成することができ、その動作確認を右側のシミュレータで行える。
(取材:三月兎 ロボットファン.net)
■関連サイト
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