企業の受付案内から公共施設のナビゲーションまで、様々な方面に向けて案内が行えるサービスロボットが提案されてきた。2000年代の半ば頃までは盛んに研究開発がなされていたが、期待されたほど導入が進まず、また、有意なコストパフォーマンスを示すのが難しい用途であることから、開発意欲は冷めつつある。
そんな中、愛知工業大学の奥川雅之准教授は、岐阜工業高等専門学校や竹田設計工業なとどともに、博物館や美術館に向け「ツアーガイドロボット」(写真)の開発に取り組んでいる。倒立二輪による軽快な移動と本質安全設計を両立した独自機構が特徴で、楽しく、かつ安心安全なガイドが期待される。
開発プロジェクトではもちろん、製品化も目指しているが、その先の取り組みとして、これをプラットフォームに実用的なサービスロボットおよびビジネスモデルをつくり上げることを志している。「東海地区におけるロボット産業の育成を見据えた“雛形プロジェクト”である」(奥川准教授)ことに重要な意味がある。
自己復元機構を持つ倒立二輪機構
ツアーガイドロボットは、科学館や博物館などで来場者とインタラクションしながら展示物の案内をするロボット。スタッフ(助手)による遠隔操作で稼働し、また助手と連携して案内サービスを行う。来場者にはタブレットPCやヘッドセットカメラを提供し、これらを介してのインタラクションも想定している。画像や音声などの処理は外部PCで行う(いわゆる「リモートブレインシステム」)。
サービス内容からすると遠隔操作である必然性はないが、基本技術として確立しておけばレスキューをはじめ様々な用途に応用展開できる可能性がある。「プラットフォーム化を見据えた活動であるため、あえて採用した」(奥川准教授)。また、岐阜高専・各務原市連携事業として取り組んでいることから、地元企業や研究機関が保有する要素技術に加え、伝統工芸も役立てることも検討している。具体的には、木工や和紙の技術を生かして本体を構成することを予定している。
2006年から始まった開発はゆるやかに進展してきたが、昨年秋以降は、「ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援)」の採択を受け、製品化に向けた活動を加速している。直近の目標としては、大阪芸術大学の中川志信准教授によるデザインを実スケールで製作することに加え、倒立二輪機構に関する技術的課題をクリアすることを掲げている。
続きは、こちら(「弟3回 ロボ産業育成を担う雛形プロ「ツアーガイドロボ」を開発・提案 ― 愛知工業大学 奥川雅之さん、竹田設計工業 など」)から。


