慶応義塾大学の稲見昌彦教授らは、紙と形状記憶合金を組み合わせて薄い“ロボット”を開発した。形状記憶合金にレーザ光を当てると熱による温度変化で動く。稲見教授は「駆動装置を搭載しており、レーザ光によって制御されて動く」ことからロボットと位置付ける。モータ駆動のロボットにはない、大幅な軽量化や非接触型のエネルギー供給という特徴を生かした用途開拓が期待できる。今後はほかの材料でも試作して応用研究を進める。
開発したのは「アニメイテッドペーパー」。コイル状にして伸縮性を高めたチタンとニッケルの形状記憶合金、光センサ、半導体励起固体レーザ、紙などで構成される。狙った位置にレーザ光を照射するため、ロボットに反射材のマーカーを付ける。光センサでマーカの位置を検知して照射する。照射位置には熱変化を増幅するため銅箔も取り付ける。
高出力レーザプロジェクタ光と熱でエネルギーの供給と動きの制御を離れた場所から同時に行える。「軽量化が難しいモータや蓄電池に依存しないロボット」(稲見教授)に用いるアクチュエータの基本技術の開発を狙い、熱による材質の形状変化に着目した。
実験では、紙で製作したパンダや折り鶴に形状記憶合金とマーカを貼り付けた。レーザ光は眼や肌に当たると危険なため、アルミ箔で内部を覆った箱を使い、レーザ遮光フィルターの窓を付けて観察した。結果、熱を受けてロボットが羽を広げたり歩いたりするなど、照射するレーザ光の向きをマーカの動きに合わせて変化させられた。100℃程度で伸縮や変形するものであれば駆動装置に利用することができる。レーザの照射の数や位置、順番を自由に変えれば、より複雑な動きができる。配線がないため簡単に製作できるという。
■関連サイト
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