経済産業省は、技術力のあるモノづくり中小企業の医療機器産業への参入を促す。2011年度から経産省が仲介し、精密な加工技術を持った中小企業を医療機関と引き合わせる。医療現場が求めているニーズのうち事業性が見込め、参加した中小企業の技術が生かせる分野を特定。3年をかけて共同研究を進め、臨床評価まで行う。中小企業の参入と活性化により、2020年までに1,000億円規模の市場創出を目指す。
モノづくりで高い技術力のある中小企業が医療機器市場に関心を持っても医療機関とのパイプがなく、安全性や有効性評価、承認や認可に手間を要することなどから参入をためらうことがある。経産省は切削やコーティングなど精密加工技術を持つ中小企業の間で医療機器への関心が高く、すでに参入事例があることからマッチング事業を開始する。
特に医療現場のニーズを重視し、ニーズに則した機器開発の能力を中小企業と医療機関、医療機器メーカーの三者を中心に探る。共同で研究する分野は注射器や人工呼吸器、滅菌装置などを想定。文部科学省や厚生労働省と連携し、学会と医療機関に協力を呼びかける。
国内の医療機関が年間に購入する医療機器は約2兆2,000億円。このうち約半分を輸入品が占める。一般に医療機器は利益率が他産業に比べ高い。高齢化の進展も背景に国内産業活性化の余地が大きい。
中小企業にとって医療機器分野への参入は、収益性を高めながら成長を続けることにつながると期待される。優れた加工技術を持つ中小企業は地方にも多く、新市場の開拓で活性化できれば地方での雇用創出が見込める。
政府は6月にまとめた新成長戦略の中で医療産業の活性化などを目指す「ライフ・イノベーション」を掲げた。経産省は2011年度にアジアでの医療機器実証も予定しており、国内・国外の両方で医療産業の成長力を引き出す。
■関連サイト
2010.09.07 経産省、アジアで医療機器実証プロジェクト開始、地域や体型などに応じて機器開発
http://robonable.typepad.jp/news/2010/09/07meti.html#tp
2010.06.03 改正薬事法の見直しが急務、ライフ・イノベーション、高齢化対応ビジネスの実現には
http://robonable.typepad.jp/news/2010/06/03davinci.html#tp


