日立プラントテクノロジーは、9月14~17日開催の「国際物流総合展2010」で走行ガイドの設置が不要な無人搬送車「インテリジェントキャリー」を公開。本体前方に搭載したレーザ距離センサにより走行地図を生成し、走行経路上で自己位置推定をしながら自律走行ができる様子を披露した(動画)。すでに大手ガラスメーカーより受注を獲得している。国内外で機械器具や半導体・液晶、医薬・食品などの製造ラインに向けて提案し、2015年度に売上高40億円を目指す。
インテリジェントキャリーは、搭載したレーザ距離センサにより走行エリアを周回運転することで地図生成を行い、パソコンで走行地図上に走行ルートを設定することで自律走行ができる。実装した地図生成および自己位置推定の制御アルゴリズム、すなわち「SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)」は、日立製作所 基礎研究所より技術供与を受け、無人走行車向けに調整した。
レーザ距離センサには独SICK製を使用。検出距離などの問題から北陽電機製のレーザ距離センサの採用を見合わせていたが、検出距離が30m以上の製品が提供され始めていることを受け、現在は同社製の採用を検討しているという。
また、レーザ距離センサは安全性確保の役割も担っており、高速走行時は遠距離で障害物を検知し、低速走行時は近距離で障害物を検知するなど、速度に応じた検知距離を無段階に設定することができる。これはAGVの安全レベルに対応したものであり、安全関連系はシステムを多重化していない。こうしたこともあり、同社ではインテリジェントキャリーを「ロボット」とは表現していない。
障害物を自動的に回避して経路変更を行う「障害物回避機能」はオプションとなっており、ユーザーの要望に応じて関連する制御モジュールを実装して納品する。そのほか本体前後に障害物検出センサを、本体周囲を囲むようにバンパセンサを搭載している。
各種移載方式とフォーク式、牽引式の3タイプを用意しており、積載荷重は、各種移載方式が30kg~4t、フォーク式が1t、牽引式が2tで、走行速度はいずれも3.6km/h。各種移載方式については作業者と隔離され、共存環境にない場合は、最大7.2km/hで走行する。
誘導線や磁気テープ、マーカや反射ミラーなど走行ガイドの設置工事が不要で、工事に伴う時間ロスを低減できるうえ、生産や物流現場のレイアウト変更に柔軟に対応することができる。1台ずつから導入することも可能で、すでにAGVを稼働している生産や物流現場にもそのまま適用できる。
■関連サイト
2010.09.14 日立プラント、走行ガイド不要の自律搬送車を開発、2015年度に売上高40億円目指す
http://robonable.typepad.jp/news/2010/09/14hitachi.html#tp
2010.06.24 清水建設、床面パターンから移動ロボットの自己位置を検出するシステムの開発にめど
http://robonable.typepad.jp/news/2010/06/24shimizu.html
2009.12.25 ニチユ、自律制御型の無人フォーク開発、0.5秒で障害物判定し10km/hでの走行可
http://robonable.typepad.jp/news/2009/12/25nichiyu.html#tp
2009.11.26 日立産機システム、知能型ロジスティクス支援ロボット開発、環境認識して自律走行
http://robonable.typepad.jp/news/2009/11/26hitachi.html
2009.11.18 安川電機、自律移動ロボを商用化、記録した画像データと比較・補正して走行
http://robonable.typepad.jp/news/2009/11/18yaskawa.html
2008.11.10 小野電機、東工大と特許実施契約を締結、全方向に動く搬送ロボ製販
http://robonable.typepad.jp/news/2008/11/20081109-5a36.html
2008.09.09 日立、障害物を避けて自律走行する物流支援ロボ開発
http://robonable.typepad.jp/news/2008/09/20080909-ac39.html


