マッスルなどは、26・27日開催の「大阪創造取引所2010」(主催:近畿経済産業局、関西経済連合会など)でロボットの標準化プラットフォームおよび標準モジュールの開発に取り組むプロジェクト「RoboYam(ロボやん)」の立ち上げを発表した。標準プラットフォームとなるハードウエアの開発に加え、これに搭載できる各種ロボット要素のモジュール化にも取り組むことで、高効率な開発体制を構築する。
プロジェクトリーダーは同社の玉井博文社長(写真)が務め、ディレクターには山梨大学の牧野洋名誉教授やブライアン・カーライル米ロボット工業会(Robotics Industries Asosiation:RIA)元会長らが就く。年末まで参加メンバーを募り、2011年の5月頃までに標準化(規格化)に取り組み、夏頃からは試作機の開発に取り組む。すでにハードウエアの設計に着手しているという。
上海万博の「日本産業館」に出展した壁を登るロボット「夢ROBO」(文末の動画)の開発実績を踏まえ、その中核を担った同社を中心に立ち上げた。OSより下層となるデバイスドライバやハードウエアなどの標準化に取り組む。
具体的には、ロボットの手足や頭部などを搭載できる胴体部を標準的なハードウエア・プラットフォームとして用意し、柔軟に取り替えられるよう、これら各モジュールの接続部のサイズや接続方法(メカニカルインターフェース)を標準化する。また、センサをはじめとする各種ロボット要素のモジュール化や集積化にも取り組むことで、「レゴブロックを組み立てるような感覚で短期間で開発できる体制を構築する」(玉井社長)。
OSには、同社の独自OSを使用。ミドルウエア以上の上位層は、ロボットの用途に応じて産総研の「OpenRTM-aist」や米Willow Garage社の「ROS」、「OpenRAVE」などを選択し使用する。「HRP」シリーズや「PR2」に代表される研究開発向けプラットフォームによりロボット用ライブラリ群が充実しつつあることから、これらの開発資産を有効活用することを選択した(ただし、オープンソースソフトを利用する場合は、組込みLinuxにおける米MontaVista Software社のようなソフトウエアの品質確保を担う企業の存在が要求される)。
年末まで、ロボット要素を保有する企業などを中心に参加メンバーを募集する。2011年からは、5月頃までにモジュールなどの標準化に取り組み、同月以降に試作機の開発や評価に着手する。現在のプロジェクトメンバーの構成は、以下の通り。
また、大阪創造取引所では夢ロボを日本で初披露した。首部と両肩、両股関節、腰に計6つの同社製ドライバ・エンコーダなど一体型のサーボモータを搭載し、足の横滑り移動や腰の旋回動作などを組み合わせることで、少ない軸数ながら壁をよじ登ることができる。
基本的には位置制御により動作するが、腕を棒にかける際に位置決め誤差が生じることから、まずは腕を棒よりもやや上方にかけ、棒にかかってからはモータ電流値をモニタリングし、一定以上の駆動トルクが発生した時点で腕がきちんと棒にかかり、よじ登り動作を終えたと見なして、もう一方の腕のよじ登り動作に切り替えている。また、棒にかけた足を積極的に横滑り移動させることで、腕を円弧状に動作させれば棒にかけられるようにしている。これらの動作の詳細は動画で確認してほしい。
■「RoboYam(ロボやん)」プロジェクトメンバー
・プロジェクトリーダー:マッスル 社長 玉井博文氏
・外観/機能デザインディレクター:IKDデザイン 主宰 喜多俊之氏
・機構部企画開発ディレクター:山梨大学 名誉教授 牧野洋氏
・電気部企画開発ディレクター:マッスル 社長 玉井博文氏
・制御/言語企画開発ディレクター:元米ロボット工業会 会長 ブライアン・カーライル氏
・マーケティングディレクター:FDデザイン 主宰 福田武氏
:元大阪市ロボットアドバイザー 大永英明氏
・事業計画/広報担当:スーパーステーション 野村卓也氏
:ナレッジキャピタルマネージメント 松林明氏
・資金担当:池田泉州銀行
・製作担当:大阪地区中小企業連合
■関連サイト
2010.10.22 アクティブリンク、パワー増幅ロボの研究開発用プラットフォーム発売、助成制度も用意
http://robonable.typepad.jp/news/2010/10/22al.html#tp
2010.09.17 産総研と川田工業、人型プラットフォームロボ発表、RTCの利用で高効率な開発が可能に
http://robonable.typepad.jp/news/2010/09/17aist.html#tp
2010.09.09 米Willow Garage、プラットフォームロボットを40万米ドルで販売開始、割引特典も提供
http://robonable.typepad.jp/news/2010/09/09willow.html#tp
2010.05.24 OpenRTM-aistでROSライブラリの扱いが可能に、産総研のGeoffrey Biggs氏がROS.orgに統合のためのパッチを提供
http://robonable.typepad.jp/news/2010/05/24willow.html#tp


