先月28~31日の4日間にわたり、韓国のKINTEX(Korea International Exhibition Center)にて「ROBOT WORLD 2010」が開催された(主催は韓国ロボット産業協会(KAR))。軍事用から産業用、民生用まで様々なロボットが多数出展されが、とりわけエンターテイメントや案内ロボットの出展が目を惹いた。また、今回は大邱(テグ)や大田(テジョン)などの地方都市に加え、台湾やフランスなど各国の出展があり、国際色の強い展示会となった。
韓国科学技術研究院(KIST)は、人の指令をもとに自律的に行動できる人型ロボット「CIROS」(写真上から1つ目)を展示した。頭部のステレオカメラにより3次元で対処物を捉えることができ、また、本体下部に搭載した独SICK製レーザレンジファンダーにより障害物を捉え、回避しながらの自律移動が行える。これらの機能により、「例えば冷蔵庫内にあるモノを、人から指示された通りに取りに行くことができる」という。
米Willow Garage社のプラットフォームロボット「PR2」を彷彿とさせる構造で、PR2と同様に、画像認識した情報をもとに経路計画および行動計画を行うことで、指示された動作を行っていると推測される。ナビゲーションやマニピュレーション、認識技術など実装している具体的なライブラリについては聞けなかった。
エンターテイメントやサービス分野に向け開発研究するDASAROBOT社は、犬型ロボット「Genibo」を出展した。タッチセンサを頭部と鼻、背中、脇部に複数のタッチセンサを搭載しており、あたかも生きているかのように愛嬌を振りまくことができる。現在、新たな知能ロボットの開発に取り組んでいるとのことで、来年の「2011国際ロボット展」への出展を予定している。
韓国の大手ロボットメーカーであるYUJIN ROBOT社は、給仕支援が行えるロボット「CAFERO」(写真上から2つ目)を出展した。2年前に公開したときは開発中だったが、現在は実用化されており、約8,0000,000ウォン(約700万円)の価格で販売している。レストランや喫茶店などで活躍中しており、店舗内の案内から、注文の受付、食事の搬送まで幅広く対応することができる。
Hanool Robotics社は、掃除ロボット「OTTORO」や案内ロボット「TIRO」などを公開した。OTTOROは空気の吸排気が可能で、インフルエンザが蔓延した際は重宝されたという。現在、韓国のほか日本や米国、チェコ、フランスでも販売されており、約8000台の販売実績がある。また、案内ロボット「Tiro」は、韓・日・中・英の4カ国語での対応が可能で、現在開催中のG20で各国の首脳の案内係として活用されている。
SAMSUNGは、今年夏に忠清北道瑞山(ソサン)の石油備蓄基地で初稼動させた監視ロボットシステム(写真下左)を出展した。2台の固定型ロボットと3台の移動型ロボットから構成され、前者は基地の境界壁に設置し、基地周囲の車や人の動きなどを探知。昼間は約2kmを、夜間は約1kmのエリアをカバーする。後者は、前者の死角となるエリアを巡回して不法侵入や、石油貯蔵タンク周辺の火災や漏油などを探知し、リアルタイムで事故の発生を中央コントロールルームに送信する。それぞれ自律的に物体の移動を追跡したり判断したりすることができる。グループ会社のSAMSUNG TECHWIN社が開発した。
WEROBOは、変わり種のロボットとして植木鉢ロボット(写真下右)を公開した。大きな特徴は湿度を測定し、コオロギが鳴くような声と色の変化で水を与える時期を伝えること。12月からの販売を予定している。また、特定コートを着用してロボットの前で動いたら、ロボットがそれを真似て同じ動作をするようなものも開発しているという。
FUTURE ROBOT社は案内ロボット「FURO」(写真下左)を展示した。韓・日・中・英の4カ国語で案内をし、注文の受付から会計まで行える。会計後は、注文番号を記した用紙とレシートを出力する。そのほか、教育コンテンツも搭載しており、遠隔地からでも、教師が側にいるような学習環境を提供することができる。ディスプレイの顔の表情は、約30種類を収録しているという。現時点での導入実績はない。
PIRO (POHANG INSTITUE OF INTELLIGENT ROBOTICS)は案内ロボット「POPO」(写真下右)のほか、病院内で看護師の業務支援を行う「PIRO M-2」を展示した。深夜時間には看護師の代わりに病室まで移動して患者の体温や血圧を計測したり、カメラ撮影により患者の状態をモニタリングしたりすることもできる。KYEUNGBUK大学病院で2カ月ほど実証実験したが、導入には至っていない。パナソニックの「HOSPI(ホスピー)」のように、病院内で薬剤搬送を行うロボットの開発も進めており、間もなく完成するという。
■関連サイト
ロボットとの触れ合い、購買への寄与を意識した見せ方が印象的
-韓国「ロボットワールド2008」レポート-
http://robonable.typepad.jp/report/2008/10/2008-6715.html#tp
トレンドウォッチ
「韓国市場への期待は大きい。ただ、国内でのビジネスを第一と考えており複雑な心境でもある・・・」-テムザック 高本陽一社長、韓国知識経済部とのMOUを語る-
http://robonable.typepad.jp/trendwatch/2008/05/mou-d49c.html#tp
韓国、知能型ロボットの普及に本腰。ファンドや品質保証機関など設立へ
「知能型ロボット開発及び普及促進法」要約
http://robonable.typepad.jp/trend/2008/04/post-c622.html


