KDDI は、高速無線通信サービス「WiMAX(ワイマックス)」を活用して企業向け機器間通信(M2M:Machine to Machine)サービス(*)を展開する。既存の第3世代(3G)携帯電話通信に比べ高速・大容量通信が可能といった特徴により決済端末や映像監視システムなどに導入を提案する。現在、WiMAXはパソコン向けデータ通信での利用が大半を占める。KDDIが機器間通信サービスに本腰を入れることで、関連の通信モジュールやITシステム開発にも弾みが付きそうだ。
国内のWiMAXはKDDIなどが出資するUQコミュニケーションズ(UQコム)が運営している。KDDIはUQコムから通信設備を借りて事業展開する仮想移動体通信事業者(Mobile Virtual Network Operator:MVNO)として機器間通信サービスを始める。
WiMAXは通信速度が最大毎秒40Mbitと、主要な3G携帯通信の約5倍。またオールIPシステムを採用しており、3G携帯通信では難しいとされる常時接続を実現できる。対象エリアの狭さが課題だが、UQコムが設備投資を積極化しており徐々に解消しつつある。
KDDIによる企業向けWiMAX機器間通信サービスは、現状ではデジタルサイネージなどごく一部の利用にとどまっているが、今後はクレジットカード認証作業時間を短縮化できる決済システムやデータ容量の大きい監視カメラ映像をリアルタイムに収集・管理できるシステムなどに幅広く導入を提案する。3年後、同社のWiMAX機器間通信の契約は数10万件規模になると見られる。
現在、機器に組み込むWiMAX通信モジュールは数種類しか出回っていない。KDDIは完全防水型や廉価型などラインアップ充実に向け、顧客企業のニーズを伝えるといったかたちでメーカーの通信モジュール開発を側面支援する。
■注釈
*:様々な機器に通信モジュールを組み込んで機器同士の通信を可能にする技術で、「M2M(Machine to Machine)」通信技術と表現される。特に無線分野での活用が注目されており、一般消費者向けではパソコンやデジタルフォトフレームを対象としたサービス、企業向けでは自動販売機の在庫管理、デジタルサイネージ、産業機械の稼働監視などの用途で普及が見込まれている。富士キメラ総研の調べによると、WiMAX利用の機器間通信サービス契約数は2013年に2010年予測比118倍の90万件になる見通し。
■関連サイト
2010.11.29 コマツ、来年度に油圧ショベルの消耗部品の遠隔管理システムKOMTARAX Parts稼働
http://robonable.typepad.jp/news/2010/11/29komatsu.html
2010.06.02 日立建機、欧通信社と提携し、携帯電話網で建機を遠隔管理するサービスを8月開始
http://robonable.typepad.jp/news/2010/06/02hitachi.html
201004.28 富士通、M2M通信で機械情報を遠隔監視するサービス7月より提供、保守管理に効果
http://robonable.typepad.jp/news/2010/04/28fujitsu.html
2010.04.22 アマダ、富士通のM2Mを利用した金属加工機械の遠隔監視システムの実現にめど
http://robonable.typepad.jp/news/2010/04/22fujitsu.html
2009.07.01 前川製作所、携帯回線を使用した冷凍機の遠隔監視システム開発
http://robonable.typepad.jp/news/2009/07/20090701-4277.html
2009.06.12 コマツ、KOMTRAXを産機事業に応用展開、今秋にも納入産機を遠隔管理
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090612-komtra.html
2009.03.02 日立と明電舎、工場の省エネや店舗の衛生管理のための遠隔監視ASP事業で提携
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090302-asp-3a.html


