JR東日本は、実用化に向けて開発を進めている人型サービスロボット「アイ=写真」の駅での実証試験を12月に行う。首都圏の大宮駅、さいたま新都心駅などが候補。不特定多数の人が行き来する環境下での試験は初めて。主に案内サービスを提供し、利用客の評価や評判について生の声を集め、新たなニーズを発掘する。同社は実証試験を経て実用化に弾みをつけ、「5年以内にグループ施設のどこかにサービスロボットを配備したい」としている。
アイは身長120センチメートル、重さ50キログラム。胸に設置したタッチパネル方式の画面でコミュニケーションを確保する。音声認識、発声機能も備える。腕は人間と同じように動き、自律走行できるのも特徴。
大宮駅、さいたま新都心駅などが見込まれる実証試験では、駅構内施設や乗り換え情報を提供するほか、たとえば列車出発ホームを“身ぶり手ぶり”で案内する。ただ、安全を考慮して自律歩行は数メートル程度にとどめる。
また、さいたま市に10月に開業する「鉄道博物館」でも12月に実証試験を行う計画。いずれの試験も2週間程度の期間で利用客の評価を収集するとともに、人ごみの中での安定性などを調べる。
JR東日本では試験結果を活用して、駅業務やホテルなどJR東の各事業部のニーズに合わせたサービスロボットのアイデアをまとめ、現場での活用を提案していく。
アイは06年7月に富士通と共同で開発。これまでJR東日本研究開発センター(さいたま市北区)内で実証試験を行っていた。