長岡技術科学大学工学部の中川匡弘教授(http://pelican.nagaokaut.ac.jp/)は、脳波から人間の感性をリアルタイムで計測するシステムを開発した。
人が「好き」「嫌い」といった感性を持ったときに発する脳波の変化を読み取り解析する。同技術を利用すれば消費者の好みなどが的確に判定することができる。各種工業製品のデザイン評価や高付加価値製品の開発など幅広い分野での応用が期待される。
測定は通常のパソコンと脳波計で行う。まず、被験者に脳波計を取り付け「好き」「嫌い」といった感性のイメージを頭の中で思い浮かべてもらう。そのときの脳波の複雑性を「フラクタル次元解析」という手法で解析、データ化し対応する感性のデータを作成する。
次に、被験者に複数の異なる写真や物を見てもらう。被験者の脳波を測定し、事前に採取したデータと照らし合わせて「好き」「嫌い」などを測定する。測定内容はリアルタイムでパソコンのディスプレイ上に表示され、異なる物を見たときの感性の違いや変化をすぐに認識することができる。
このほかにも「高級感」「おいしそう」といったさまざま感性を測定できるうえ「○」や「△」などの図形も測定可能という。
今後、自動車、食品、ゲーム業界などあらゆる分野で、消費者の感性に基づく新たな製品づくりに生かされることになりそうだ。