北陽電機は、3月9日~12日開催の「SECURITY SHOW 2010」にて同社のレーザ測域センサを活用した複数システムを紹介した。
1つは、観客動向自動集計システム。同社の入退室・人数カウントシステムにデジタルサイネージを組み合わせたもので、来場数のカウントや広告および展示物を閲覧した後の行動追跡が行える。マーケティング情報の取得に加え、POSデータなどとのマッシュアップによりAIDMA(Attention、Interest、Desire、Memory、Action)の把握も行える。
ディスプレイの両側に設置したレーザ測域センサ(写真の赤い丸部)で捉えることで、オクリュージョン領域を発生させることなく来場者の検出や行動追跡が行える。また、顔検出機能を搭載しており、ディスプレイ上部に設置したカメラで捉えた顔の時刻と位置をログとして記録することもできる。これらの機能は、しくみデザインが提供するデジタルサイネージツール「Saika(サイカ)」に組み込まれている。
昨年も披露していたが、デザインを一新して出展した。昨年10月よりリース販売を開始しており、ショッピングセンターをはじめ商業施設に向けて提案している。複数店舗にて試験的に利用されたものの、実導入には至っていないという。
2つ目は、待ち時間検出システムで、レーザ測域センサで並んでいる人数をカウントして待ち時間を推定する(写真下左)。同社の流動計測システムを利用しており、計測エリア内に入った来場者にID番号を自動で割り当て、リアルタイムに来場者の位置座標を取得して行動追跡を行う。複数人をカウントし、かつ滞在時間をID番号ごとに管理することができる。
今回、展示したシステムでは、測定エリア内およびエリア内の展示物なども表示されるなどインターフェースを改善した(写真下右)。滞在時間が長くなると濃く表示されるなど、展示物と滞在時間との相関関係がわかりやすくなった。なお、ディスプレイには、ガラス板などに貼り付けるだけで画像や映像を投影できる、住友3Mのリアプロジェクションフィルム「Vikuiti(ヴィキュイティ)」を利用した。
待ち時間検出システム。レーザ測域センサで人数カウントをして待ち時間を推定する(写真左)。測定エリア内およびエリア内の展示物なども表示され、滞在時間との相関関係を把握しやすい(写真右)。
3つ目は、レーザ測域センサを活用した3次元測域システム。レーザ測域センサを上下動させる方式(写真下左)とヘルカルスキャンする方式(写真下右)の2タイプを公開した。特定環境内にある物体の位置を3次元で検知することができ、例えば大規模災害時のレスキューロボットの進入路の把握や被災者の確認に役立てることができる。ヘリカルスキャン方式を採用したのは高速かつ均一に計測が行えるからだが、素館の角度は明かせないという。
これらの開発は「平成21年度 ものづくり中小企業製品開発等支援補助金(試作開発等支援事業)」で取り組んでおり、6月13~16日開催の「ロボティクス・メカトロニクス講演会2010(ROBOMEC 2010)」にて改良版を出展するという。
レーザ測域センサを上下動させるタイプ(写真左)とヘリカルスキャンするタイプ(写真右)。 ■関連サイト 2009.03.06 北陽電機、来場者のカウントや行動追跡も行えるデジサイシステムを出展 2009.02.06 北陽電機、測域センサを用いた入退場者の流量計測の実証実験を実施
2010.02.18 デコラティブシステム、リアプロフィルムによるデジサイ披露、ガラス面をモニターに
http://robonable.typepad.jp/news/2010/02/18decora.html
http://robonable.typepad.jp/news/2009/03/20090306-640f.html
http://robonable.typepad.jp/news/2009/02/20090206-4d30.html