ゼットエムピー(ZMP)は、実車の1/10サイズのカーロボティクスプラットフォーム「RoboCar(ロボカー)1/10」の導入版として「同Lite」の受注を開始した。RoboCarが搭載していた画像認識モジュールなどを省略し、汎用パソコンおよびカメラを搭載・接続することで自動運転や自律移動などの研究開発が行える構成にした。同Lite本体とソフウエア開発キット(SDK)の構成で、一般価格が39万8,000円。アカデミック価格が29万8,000円(いずれも税別)。同社Webサイト上より受け付ける。
RoboCarは、先進安全自動車(ASV)やITS、環境対応車両などの研究開発に向け、1/10スケールの車体に自律移動ロボット技術を実装したもの。APIが公開されており、ユーザー側で作成した各種ソフトウエアを実装して検証することができる。トヨタ自動車や日産自動車などのほか、大学や高専などに提供しており、これまでに70ユーザーに向け約100台を販売している。
同Liteは、ステレオ画像認識モジュールや制御機器を搭載していたが、汎用パソコンとカメラに切り替えることで大幅な低価格化を図った。これらを搭載し、接続することで画像認識や経路計画などが行える。オプションでレーザ測域センサや赤外線距離センサなどを搭載することで、より高度な自律制御が行える。
また、ナショナルインツルメンツ社の開発環境「LabVIEW」との連携も可能で、LabVIEWが提供する各種ツールを用いた制御アルゴリズムの開発が行える。
自動運転や自律移動、障害物回避などの次世代モビリティの制御アルゴリムの研究開発や、自動車の運動力学の基礎研究に活用することができる。サイズは、429mm×195mm×21mm。重量1.8kg。外界センサはオプション扱いだが、内界センサとして3軸加速度やジャイロ、エンコーダを備える。
先月3日開催の「第2回 実践!ロボット教育・研究フォーラム」では、室内などの狭所での実験に対応すべく実車の1/15サイズとし、同日より受注を開始することを表明していたが、すでに提供を始めているRoboCarと同様1/10サイズとし、今月からの受注開始となった。
■関連サイト
2010.08.03 ZMP、1/15スケールのロボカーを30万円以下で発売、2011年度には一般車両をロボ化
http://robonable.typepad.jp/news/2010/08/03zmp.html#tp
2010.05.17 ZMPと日本NI、カーロボで技術提携、LabVIEWでロボカーの設計から実装まで可能に
http://robonable.typepad.jp/news/2010/05/17zmp.html#tp
2010.04.04 ZMP、病棟間の移動に向け次世代移動体を開発へ、2010年中に4つの新製品投入
http://robonable.typepad.jp/news/2010/04/03zmp.html#tp
2010.02.26 ZMP、研究開発向けマイクロEV販売、パーソナルモビリティや自律走行の研究に最適
http://robonable.typepad.jp/news/2010/02/26zmp.html
2009.06.09 ZMP、カーロボプラットフォーム販売開始、すでに100台近くの受注獲得
http://robonable.typepad.jp/news/2009/06/20090609-zmp100.html